「人間は考えるFになる」人間は考えるFになる作者: 土屋賢二,森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/09/04メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (67件) を見る

うっかり通学中に読む本を忘れて家を出てしまい、生協で購入。森博嗣氏は元々非常に好きな作家の一人、土屋賢二氏も名前は知っていました。最近森博嗣色々出してるなあと手に取って最初数頁を呼んで見たら面白そうだし、夢中になると電車を乗り過ごしてしまうのですが対談ですのでなり過ぎる事もなかろうとレジへ赴きました。
頭の回転の速い森氏と熟考型の土屋氏、どちらにせよ頭の良い2人なので好きな人にとっては面白いですが、読む限りでは土屋氏は森氏に対して畏敬の目、森氏は土屋氏に対して違う位相の人を見る目で見ている様なので、対等ではない印象も受けました。対等だから良いと言うのでもありませんが。
肝心の対談のネタは大学について、(売れる)ミステリーの書き方について等。大学のおかしな機能や学生や世代間の違いは面白く読めました。本当、研究だけずっとしていられる職業なら絶対に私も絶対に大学に残るのですが。趣味の話での「ミステリィファンというのはミステリィの九割が嫌いな人たちのこと」と言う森氏の言葉には納得するやら可笑しいやら。外の世界から見たらミステリと言う同じものでも、内部の住人にとっては本格やら新本格やら大違いであると言う事はミステリ以外の趣味でもままありますね。
対談だけに会話がずれっ放しで終始してしまっている所も見受けられ(「きれい」の話は寧ろ笑えた)、そう言う箇所は2頁位で強制終了だったりします。後は土屋氏の(笑)の多さが気になりました。結構多いのでもう良いよ括弧で笑うなよと思いました。編集すれば良いのに。
最後の書き下ろしは土屋氏は落ちは読めましたが会話のリズムが面白い。森氏はずるいなあこの人とにやりとしました。